登場人物
月島雫
(つきしま しずく)
月島家の次女で向原中学校の3年生。無類の読書好きで豊かな感受性を持ち、夏休みには20冊も本を読む程である。自立心が強く、外では明朗活発な性格で友達も多い。反面、家では頑固で口数が少なく、しっかり者の姉に何かと口を出されてはそれに反発している。好奇心が旺盛な思索家で、貸出カードに「天沢聖司」の名前を見つけるとどんな人なのか想像したり、偶然出会った猫のムーンを追いかけたりするが、恋愛には疎く、自身に対する杉村の好意には気づけなかった。最初は嫌な奴だと思っていた聖司に次第に惹かれていくが、彼がヴァイオリン職人の夢に向かって進んでいくのを見て目標を持ってない自分に焦り感じ、物語を書こうと決意する。14歳(*ガ、ディ、フィ、パ)。
天沢聖司
(あまさわ せいじ)
天沢家の末っ子で向原中学校の3年生。西司朗の孫。卒業後は高校へ進学せず、イタリアに渡ってヴァイオリン職人になるため修業しようと考えている。素直で自分に厳しい性格で、その目標をしっかりと見据えている姿は雫に大きな影響を与える。最初は嫌味な言葉を浴びせていたが、実は前から雫のことが気になっており、密かに雫と読書量を競ったり図書館で隣の席に座ったりしていた。15歳(*ガ、ディ、フィ、パ)。
西司朗
(にし しろう)
聖司の母方の祖父。杉の宮の丘の上にアトリエを構え、アンティーク・ショップ「地球屋」の経営している。クラシック家具の修理・販売をする傍ら、ヴァイオリン教室を開いたり音楽仲間とモダンジャズの演奏に興じたりしている趣味人。聖司と雫の良き理解者で、聖司のイタリア行きを支持し、雫が書いた物語の最初の読者となる。80歳(*ガ、ディ、フィ、資、パ)。
月島靖也
(つきしま せいや)
雫の父親。生活のために市立図書館で司書として働いているが、本業は一文にもならない郷土史研究家で、家の中ではワープロに向かって著述にいそしんでいる。早々と子離れを宣言し、娘たちには滅多に口は出さない。しかし、要所では理解のある父親として決断力を示し、高校受験が迫っている雫が打ち込んでいること(物語を書くこと)を最後までやり通すことを許可した。45歳(*ガ、ディ、フィ、パ)。
月島朝子
(つきしま あさこ)
雫の母親。子育てが一段落したことを機に自身の勉学を再開させ、社会人学生として某大学の大学院に通っている。夫と娘たちの協力の下、家事と勉学の両立に奮闘中で、修士論文の作成にいそしんでいる。靖也と同様に娘たちには口を出さないが、全くの無関心というわけではなく、雫の様子の変化には気づいている。43歳(*ガ、ディ、フィ、パ)。
月島汐
(つきしま しほ)
雫の姉。月島家の長女で大学1年生。しっかり者で行動力があり、スポーツ好きの美人。生活力も旺盛で、大学院に通う母に変わって月島家の家事を取り仕切っている。そのため、読書に夢中で家事が疎かになりがちな雫に何かと指図をしては煙たがられている。雫と進路を巡って対立するが、最終的には理解を示す。大学に通う傍らアルバイトにも精を出し、作中後半には独立している。年齢は18歳(*ディ、パ)か19歳(*ガ、フィ)。
ムーン 雫を「地球屋」に導いた謎のデブ猫。「ムーン」という名前は聖司が付けたものだが、特に飼い主がいるわけでもなくあちこちを渡り歩いているため、「お玉」、「ムタ」など他にも幾つかの呼び名がある。一人で電車に乗ることもでき、行く先々で犬をからかっている。雫が書いた物語の中では、テントウムシ型の飛行機に乗る悪役になっていた。
バロン 地球屋に飾られている猫の人形。正しくはフンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵で、”バロン”は通称。西司朗がドイツ留学中の青年時代に町のカフェから譲り受けたが、戦争が迫っていたため、西とともにドイツを去った彼は恋人である貴婦人の猫の人形と離ればなれになってしまった。長く西司朗に大切にされてきたが、雫にも気に入られ、彼女が書いた物語「耳をすませば」の主人公のモデルとなる。
杉村
(すぎむら)
雫の同級生。野球部でレギュラーを務めるスポーツ少年。恋愛面には疎く、自身に対する夕子の好意に気づくことができなかった。雫とは幼馴染で軽口を言い合う仲であったが、密かに彼女に対して想いを抱いており、神社で告白するものの振られてしまう。エンディングでは夕子と交際を開始したような描写がある。14歳(*ガ、ディ、フィ、パ)。
原田夕子
(はらだ ゆうこ)
雫の同級生。思春期の女の子らしくソバカスを気にしている。雫とは親友同士で、コーラス部の後輩のために「カントリー・ロード」の訳詞を依頼したり、お互いに恋の悩みを打ち明けあっている。杉村に対して好意を抱いているが、気弱な性格のため告白できないでいる。しかし、エンディングでは杉村と交際を開始したような描写がある。14歳(*ガ、ディ、フィ、パ)。
絹代
(きぬよ)
雫の同級生で友達。ヘアバンドをしている。雫や夕子と一緒に保健室で昼食をとり、仲良しグループを形成している。”絹ちゃん”という愛称で呼ばれ、聖司とは1年生の時同じクラスだった。
ナオ 雫の同級生で友達。メガネをかけている。雫や夕子と一緒に保健室で昼食をとり、仲良しグループを形成している。映画オリジナルキャラクター(映画化時点)。
高坂先生
(こうさかせんせい)
向原中学校の保健室に勤務する女性の先生。男勝りな口調が特徴で、メガネをかけている。雫や夕子たちに慕われており、彼女ら仲良しグループは高坂先生のいる保健室で昼食をとる。夏休みには雫に頼まれて図書室を解放し、司書の業務もこなしていた。
職員室の先生 雫に「フェアリーテール」の寄贈者について尋ねられた年配の教師。メガネをかけている。本の寄贈者のことは覚えていたが、名前まで思い出すことができなかった。映画オリジナルキャラクター。
木村先生
(きむらせんせい)
年配の教師に「フェアリーテール」の寄贈者の名前を尋ねられ、「天沢航一」と答えたメガネをかけている教師。天沢家の末っ子が同じ学年にいることを雫に教える。映画オリジナルキャラクター。
数学の教師 「この公式は中間に出すからね」と言って生徒の頭を抱えさせた女性教師。チョイ役だが、原作にも登場している。
英語の教師 授業中、物語を書くことに夢中になっている雫を指名した男性教師。雫のクラスの担任でもあり、雫の母親を学校に呼び出し、中間テストで雫の成績が大きく下がっていることを告知する。映画オリジナルキャラクター。
西司朗の友人で音楽仲間。雫が「カントリー・ロード」を歌った時、リュートを弾いていた。メガネをかけている。70歳(*資)。映画オリジナルキャラクター。
西司朗の友人で音楽仲間。雫が「カントリー・ロード」を歌った時、タンバリンを叩いたり、コルネットやリコーダーを吹いていた。口髭を生やしている。60歳(*資)。映画オリジナルキャラクター。
天沢航一
(あまさわ こういち)
聖司の父親で医師。天沢医院を開業している。何年か前、向原中学校のPTA会長を務めていた。雫と聖司が渡り廊下ですれ違う際、聖司と一緒に歩いていた。聖司のイタリア行きには反対していたが、最終的には折れて条件付きで認めた模様。映画オリジナルキャラクター。
原田夕子の父 夕子の父親。喧嘩中のため、一人娘の夕子に口をきいてもらえないでいる。雫が夕子の家を訪ねた際、食堂でナイターを見ながら新聞を読んでいた。映画オリジナルキャラクター。
原田夕子の母 夕子の母親。雫が夕子の家から帰る時、ペットの犬を抱いていた。上品で優しそうな雰囲気の女性。映画オリジナルキャラクター。
ルイーゼ 西司朗の夢と回想シーンにのみ登場する女性。バロンの恋人である貴婦人の猫の人形を引き取ったと思われるが、戦争のため行方不明となり、再会の約束を果たせないでいる。映画オリジナルキャラクター。
貴婦人の猫の人形 バロンの恋人である猫の人形。西司朗がバロンを譲り受けた時は修理に出されていて、後にルイーゼが引き取ったと思われるが、戦争が起きたため彼女とともに行方不明となり、バロンと離ればなれになってしまう。雫が書いた物語では、この人形自身に「ルイーゼ」という名前が与えられている。
登場人物(原作にのみ登場)
天沢航司
(あまさわ こうじ)
聖司の兄で高校1年生。原作では雫の姉・汐も高校生で、彼女と交際している。高坂先生いわく「変人」で、実際に変わっているところも多々あるが、根は親切で優しい性格である。写真を撮るのが趣味。メガネをかけている。
ルナ 航司に懐いているメスの黒猫。原作では彼女が雫を地球屋へと導いた。ちなみに、ムーンは映画ではデブ猫であるが、原作ではルナと同じような見た目のオスの黒猫である。
理科の教師 授業中、ボーっとしていた雫を指名した男性教師。そこで雫に出した問題は、理科の問題というよりナゾナゾであった。
歴史の教師 牛若丸について説明していた男性教師。1コマだけ登場している。
山崎先輩 杉村が所属する野球部の先輩で中学3年生(原作では雫たちは中学1年生)。夕子にラブレターを渡した。2コマだけ登場している。

出典
*ガ…「アニメージュ特別編集ガイドブック 耳をすませば」5頁
*フィ…「アニメージュ コミックス スペシャル フィルム・コミック 耳をすませば」各巻2頁
*ディ…「This is Animation 耳をすませば」4頁
*資…「ジブリ THE ART シリーズ スタジオジブリ作品関連資料集 5」109頁
*パ…パンフレット 6-7頁
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