前のページでは鉄の歴史村を紹介しましたが、このページではその他のタタラ製鉄に関するスポットを紹介します。
安来市にある和鋼博物館です。タタラ製鉄の総合博物館で、和鋼の歴史、技術、文化に関する展示を行なっています。
出雲で製鉄巡りをする際は、まずはここに立ち寄って予備知識を入れておくと便利です。
●入場料…大人:300円、高校生:200円、小・中学生:無料
●開館時間…9時〜17時(入場は16時30分まで)
●休館日…水曜日(祝日の場合は翌日、年末年始休館:12月29日〜1月3日)
和鋼博物館の前には巨大なヒが置かれています。
ヒのアップです。
安来市広瀬町(旧広瀬町)西比田にある金屋子神社です。
全国に1200社ある金屋子神社の総本山で、現在でも製鉄・治金関係者が数多く参詣しているそうです。
金屋子神社とは、製鉄の神である金屋子神を祀った神社です。
参道の横には、幾つかのヒが置かれていました(写真右)。
金屋子神社の第二鳥居です。石造りになっているのが特徴です。
横を流れる小川の小石が鉄分で赤みがかっていました(写真右)。
金屋子神社の近くにある金屋子神話民俗館です。
金屋子神話の筋立て、製鉄や鍛冶に関わった人々の暮らしや文化について紹介しています。
先に紹介した和鋼博物館が当館を管轄しています。
●入場料…大人:300円、高校生:200円、小・中学生:無料
●開館時間…9時〜17時(入場は16時30分まで)
●休館日…水曜日(祝日の場合は翌日、冬季休館:12月〜3月)
奥出雲町大呂にある日刀保たたらです。現在、日本古来のタタラ製鉄法によって鋼を生産しているのはここだけです。
1977年より操業を開始し、1回の操業で約2トンの玉鋼を生産します。
横から見た日刀保たたらです。
奥出雲町横田にある奥出雲たたらと刀剣館です。日刀保たたらの操業の様子をビデオやパネルで紹介し、タタラ製鉄で生産されたヒや材料となる砂鉄、木炭などを展示しています。
●入場料…大人:510円、小・中学生:250円
●開館時間…10時〜17時(入場は16時30分まで)
●休館日…月曜日(祝日の場合は翌日)
奥出雲町を流れる斐伊川(ひいかわ)です。
上流部で鉄穴流し(かんなながし)が行なわれていたこともあって洪水が頻発し、流域の農民を苦しめてきました。
羽内谷鉱山鉄穴流し本場です。斐伊川の最上流部付近にあります。
「本場」とはタタラ製鉄の原料となる砂鉄を採取する鉄穴流しの最終工程を行なう場所です。
約1km上流で砂鉄を含んだ山土を掘り崩し、川へ流し込みます。川を流れていく途中で余分なゴミや石が取り除かれ、ここで砂鉄が精選されます。鉄穴流しは稲作に支障がないように、秋の彼岸から翌年初の彼岸まで行なわれていました。
当施設は1972年に稼働を終えましたが、日本で唯一現存する遺構として、いつでも再稼働できる状態で保存されています。
本場は上流から出切、大池、中池、乙池、樋の5つの施設に分かれています。
写真は一番上流の第一出切で、ここで川を流れてきた砂鉄を含む土砂を取り入れます。
第二出切です。
出切で取り入れられた土砂をまず大池へと流し、ここで土砂を堰き止めて「足水」という綺麗な水を加えながら撹拌します。そうすることで比重の大きい砂鉄を大池の底に沈殿させ、不要な土砂は横を流れている川へと排出させます。
大池の底に沈殿した砂鉄分を多く含む土砂は、次に中池へと流されます。中池でも足水を加えながら土砂を撹拌し、砂鉄を底に沈殿させ、不要な土砂を川へ排出させます。
中池の後は乙池、樋へと順に土砂が流され、そこでも同様の作業を繰り返します。そうすることで砂鉄の純度が次第に増していき、一番最後の樋に溜まる頃には土砂に対する砂鉄分の割合が90%にも達します。
水面に光が反射して分かり辛いかもしれませんが、横を流れる川の底では砂鉄が光っていました。
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